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『郵便局』チャールズ・ブコウスキー|感想・レビュー

クリワン

ブコウスキー作品を初めて読みました。一言で言うと、驚愕。
サリンジャー、カフカ、村上春樹、ヴォネガットなどが好きなら読んでみてほしい!

ブコウスキーの作品を遅ればせながら、初めて読みました。

「ど、どうした???」

僕はこの作品を読み始めて、何が起こったのか分からなかった。

「私は一体、何を読まされているのであろうか・・・」

こういっても、読んだことがある人ならきっと納得してくれるはずだ。

正直に言うと、読み切れるかどうか不安だった。

ここのところ、文学から遠ざかっていたし、プロレタリア文学ではないにしろ、淡々と苦悩の話が続いたら嫌だなという一抹の不安があった。

しかし、それは杞憂に終わった。

というか、僕はまだこの小説の偉大さを全くわかっていなかったのだ。

目次

メガベンチャーで働く現役のマーケター
30歳から未経験でマーケターに転身。5年以上のキャリアと、WEBマーケのコンサルやライターでの副業経験。

ほぼネタばれしない、『郵便局』のあらすじ

すごい簡単に言うと、

チナスキーというふしだらでいい加減な男が、アメリカの郵便局で働きながら、主に女性との関係とアルコールを楽しむ話だ。

語弊を恐れずに言おう。この小説は、これ以上でもこれ以下でもない。

質問がある。

「うわあ、めちゃくちゃ読みたい」と感じただろうか。

おそらく、答えは「否」。

多くの人が読まずに一生を終えていくだろうし、僕自身、多分、大っぴらにおすすめはしないだろう。

しかし、本当に小説が好きなあなた。

あなたには、読んで欲しい。

なぜなら、めちゃくちゃに面白いからだ。

『郵便局』を読んで感じたこと3つ

ここからは僕の所感だ。

まっさらに気持ちで読みたい人は、ぜひ、ここでページを閉じて欲しい。

では、3つを紹介。

チナスキーに惚れる

とにかく、最初、チナスキーというめちゃくちゃな男に何も感情移入する術がなかった。

実際に、僕とチナスキーは全くの対極にいる存在だ。

しかし、しかしだ。

チナスキーは僕自身だったのだ。

読み進めるうちに、だんだんとチナスキーのことが好きになった。

そして、次第に惚れていた。

違う、これは自分自身なのだ、と感じるようになった。

それほどまでに、チナスキーが大好きに、そして、愛おしくなった。

わけがわからん。

マジックなのか?????

だからこそ、読んでみてほしい。

村上春樹さんの「僕と鼠シリーズ」を読んだときに近い衝撃

村上春樹さんや、サリンジャーが好きな人にもおすすめしたい作品である。

読んでいて、僕は、「あれ、これ」と思った。

僕が愛してやまない、村上春樹さんの「僕と鼠」シリーズの世界観を思わせるものがあった。

これは想像でしかないが、おそらく、ブコウスキーの作品、文体は村上春樹さんの最初期の小説にも大きく影響を与えているのではないだろうか。

この年齢になった、あの背骨が砕けるような体験(もちろん、あの若かった当時の感覚とは違う)が少しだけ味わえて嬉しかった。

他にも、カート・ヴォネガットや、ジョン・アーヴィング、カフカ、などの作品が好きな人におすすめ。

なんだこの主人公ランキングTOP5

もしも、この主人公なんだ、意味わからんぞランキングがあったとしたら、きっと5本の指には入るのではないだろうか。

例えば、ディケンズやドストエフスキーの小説にもとんでもない主人公が現れるが、彼らには物語の語り手としての役目を非常に感じることがある。

だからこそ、その作品の完成度を感じる。

その点では村上春樹さんの小説もそれに近い。

しかし、郵便局のチナスキーだ。

彼は、とんでもない主人公だ。

とにかく、なんなんだ、彼は。

という感じ。

もしかしたら、カフカもこちらに近いかもしれない。

とんでもない主人公ランキング。

文学作品で、もしランクインしそうな主人公がいたら、ぜひコメント欄で教えて欲しい。

最後に

「本当はマジか!な文豪たち」というYoutubeチャンネルを運営しています。

まだ2本しかアップできていないけど、まもなく3本目を公開予定。

いやあ、ブコウスキーも今後取り上げたい作家として常に頭の中を占有するだろう。

今から、中古を中心にブコウスキーの文献を集めていきまたい。

そして、ブコウスキーの魅力を多くの人に伝えていきたいと夢想している。

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