未経験からネット広告代理店に転職するメリット・ デメリット

広告代理店に転職するメリット・デメリット

広告代理店の仕事って華やかそうにみえる反面、忙しくて大変そう。

テレビやメディアの影響で、そんな印象をけっこう多くの人が持っているのではないでしょうか。

一般的にはどんな印象でも問題ないのですが、ことに自分が広告代理店に入ろうと思ったときには、そんな印象が自分の考えを邪魔するケースがほとんどです。

「広告業界には興味があるけど、転職しても自分がうまくやっていけるのか心配」

どうしても、こんなことを思ってしまいがちです。

いやいや、もちろん大変なことも多いのですが、広告代理店に入るメリットもかなり多いんですよ。

そんなわけで、特にWEBマーケティング職に特化した内容で、広告代理店への転職のメリットとデメリットを分かりやすくお伝えしていきます。

目次

メガベンチャーで働く現役のマーケター
30歳から未経験でマーケターに転身。5年以上のキャリアと、WEBマーケのコンサルやライターでの副業経験。

広告代理店はプロモーションの専門医

広告代理店は専門集団

そもそも広告代理店の仕事って縁がなければなかなかよく分かりませんよね。

なので、プロモーションの専門医(コンサルタント)だというイメージを持つと分かりやすいと思います。

では、なぜ専門医が必要かというと、

  • 専門的な知見・スキルが企業に不足している
  • 予算額が大きいので、少しでも費用対効果を上げたい
  • 売上にもっとも直結する領域だから

などが挙げられます。

広告代理店に依頼する機能を自社でまかなおうとすると、専門スキルのある社員を何人も雇わないといけなくなるので、それはそれでリスクが大きいんですよね。

そんなわけで、広告代理店は自社に専門家を集めて、多くの企業のプロモーション、マーケティングの悩みを解決しているのです。

広告代理店はメディアの販売主

もう少し突っ込んだ話をすると、広告代理店には独自の媒体をつくって、それを販売するという側面もあります。

例えば、サイバーエージェントのABEMA TVや、アメブロが自社媒体として分かりやすい例です。

より狭い視点で考えると「広告をつくる仕事」ですが、より正確な表現をすれば「企業の課題をあらゆる広告媒体を通じて解決する仕事」という方がより正確です。

広告代理店で働く5つのメリット

それでは、広告代理店に入るとどんなメリットがあるのかを考えていきます。

ちなみに、広告代理店にはさまざまな職種があります。

例えば、コピーライターやデザイナーといった肩書きの人だけでも数種類の役割が……。

だから今回は「広告代理店でWEBマーケティングの業務経験を積むメリット」を中心に書いていますので、そこだけご注意ください。

広告代理店で働くメリット
  • 幅広い商品・サービスを扱える
  • 人脈ができる
  • 市場価値が上がる
  • 年収が高い
  • 未経験からWEBマーケティングに挑戦しやすい

その①:幅広い商品・サービスを扱える

広告代理店はほんとうに多種多様な企業をサポートしていて、一年を通して一人当たり数社、多ければ十数社の案件を担当することが一般的です。

会社員のWEBマーケターとしては、これほどバラエティーに富んだ業界、商材、サービスの実務経験が積めることはまずありえません。

自分のスキル・経験値の「横幅」を広げるのには、とても貴重な環境だと考えています。

その②:人脈ができる

広告代理店に勤めていれば、仕事を通して、年間100人以上は社外の人と関わるようになります。

将来的に、独立やフリーランスを考えているのであれば、ここでの人脈はかなり将来に活かせます。

僕自身、「独立思考が強いなら、広告代理店への転職がおすすめです」と優秀な転職エージェントの方からアドバイスをもらったこともありますし、仕事を依頼するときも自分の知り合いから優先的にオファーをしています。

ちょっとした縁から、仕事につながることも多々あるので、そういった意味で人脈(=ちょっと名前や顔を知っている人の数)って大事だなと思います。

その③:市場価値が上がる

事業会社のマーケターや広報的なポジションを狙うのであれば、広告代理店出身者は有利です。

マーケターの求人募集をみていると、「広告代理店での実務経験○年以上が必須」、そんな募集がたくさん掲載されているんですよね。

現に事業会社でマーケターをしている人に話を聞くと、「代理店出身者ってめちゃくちゃ多いんだなあ」と実感します!

事業会社に入って経験できることと、広告代理店で経験できることってわりと違って、広告代理店でしか経験できないこともけっこうたくさんあるんです。

経験値の安心感があるので、これから先の引く手数っぷりは驚くほどになるかもしれません。

その④:年収が高い

広告代理店の平均年収は、575〜675万円です。(出典:JobQメディア)

上記の平均値は大手代理店が押し上げているはずなので、あくまで参考程度ですが、一般的な平均年収である400〜440万円よりも高いことが多いです。

基本的に会社員の年収は「業界」と「業種」でほとんどのベースが決まってしまいます。

WEBマーケティング×広告代理店の経験は、「転職」「副業」「独立」を考えても、これからの年収アップの余地はとても大きいはずです。

その⑤:未経験からWEBマーケティングに挑戦しやすい

未経験からWEBマーケターを目指している場合も広告代理店はおすすめです。

未経験で事業会社のマーケターのポストを得るのはハードルが高く、経験者でないと、あまりいい企業に入れる余地がありません。

その理由は、一社あたりのマーケターの枠が非常に少なく、入りたい人もかなり多くいるからです。

一方で、広告代理店ではマンパワーをとにかく欲していて、慢性的な人手不足の会社も多くあります。

その理由は不人気だから、と表現する人もいますが実は違います。

広告代理店は競合がめちゃくちゃ多く、いい人材を確保するのが難しいんです。

そんな中で、自分の会社を選んでくれる人は採用担当からしたら、かなり嬉しいですよね。

そんなわけで、専門的な知識やスキルがなくても、一緒に働きたいと感じる人であれば、採用されるチャンスってけっこうあるわけです。

僕もそうでしたが、お金をもらいながら経験を積めるので、本気でスキルを身につけたい人にはおすすめです。

広告代理店で働く3つのデメリット

では、逆にどんなデメリットがあるのかもおさえておきましょう。こちらも僕の広告業界での経験をもとにお伝えしていきます。

広告代理店で働くデメリット
  • ストレスが大きい
  • タスクが多い
  • 意思決定権がクライアントにある

その①:ストレスが大きい

広告業界の仕事は、ストレス耐性が求められるとよく言われます。

その言葉に偽りはなく、お客さんの無茶な要求も多く、常にスケジュールとの闘いだったりもします。

特に大型のプロジェクトだと、クライアントの要求レベルも必然的に上がってくるので、四六時中ストレスを抱えてるときもありました。

僕は繊細さん気質なので、うまくいかないときに思いつめてしまったり、大炎上した案件の立て直しで毎日やきもきしていたこともあります。

でも、これは会社員としてどんな仕事をしていてもあることなので、やってみないと分からないというのが正直なところ。

その②:タスクが多い

クライアントワークという性質上、マンパワーがものをいいます。

もちろん業務効率化は進んではいるものの、最終的に人ありきのビジネスモデルです。

だからこそ、AIには代替されにくいというメリットがある反面、とにかく細かいタスクが山のように降りかかってきます。

こなしてもこなしても調整ごとがあって、結果的に長時間労働につながっているケースが多いです。

僕自身は極端にタスクを抱える期間を経て、そういったときの対処法もある程度心得ることができました。

このご時世なので、だいぶ働く環境の改善されているケースが多いですが、「忙しすぎるの無理、無理」、そんな人はより慎重に転職活動をしましょう。

その③:意思決定権がクライアントにある

「どんなに素晴らしい提案ができたとしても、最終的に決めるのはクライアント」

ここが広告代理店と事業会社の決定的な違いです。

マーケティング施策の最終的な意思決定ができないことも大きなデメリットです。

また案件が終了してしまえば、どんなに思い入れのある企業やサービスでもそこまでです。

「もっと自分の腕を試したいのに・・・」

実は僕はこういったジレンマを抱えることがけっこう多くて、事業会社のマーケターになることを決めました。

とはいえ、事業会社で働いてみたら、正直、面倒な調整ごとも多く、広告業界の方がいろんな企画やれて楽しいなあ、と隣の芝生を青く感じることが多々あるクリワンです。笑

未経験から広告代理店に入る方法

未経験から広告代理店に入る方法として鉄板の方法が以下の3つです。

未経験から広告代理店に入る方法
  • 転職エージェントを利用する
  • リファラル採用枠を使う
  • WEBマーケティングスクールに通う

一つずつ簡単にご紹介していきます。

転職エージェントのサポートを得る

やはり最初の1歩は間違いなく転職エージェントに登録して、キャリアカウンセリングを受けることです。

仮にどんな方法で転職をするにしても、転職エージェントは2〜3社登録をしておくことをおすすめします。

費用もかからないため、ノーリスクです。

逆に企業側には大きなコストがかかるため、「採用コストをかけられる体力がある企業」ということで、入社後の安心にも繋がります。

WEBマーケティングに強い転職エージェントはこちらの記事でも紹介しているので、よければこちらも参考にしてください。

リファラル採用を積極的に使う

広告代理店の多くが、リファラル(縁故)採用をしています。

むしろリファラル採用をしていない企業の方がこのご時世では少ないかもしれません。

スキル以上に人柄は本当に大切なので、もしも知人に広告代理店で働いている人がいれば、ぜひ一度相談してみるのがいいと思います。

僕自身もリファラル採用で入社した経験がありますが、入社までが本当にスムーズでした!(採用面接なかった!)

WEBマーケティングスクールを卒業する

多くの企業がWEBマーケティング人材を採用するようになり、そのおかげで本当に有益なWEBマーケティングスクールが増えてきています。

WEBマーケティングスクールのいいところは、ほぼ実務経験に近いところまでカリキュラムに盛り込まれていることです。

未経験であっても即戦力になりやすく、かつ熱量もアピールすることが可能です。

WEBマーケティングスクールのメリット
  • 実践的な知識、スキルが短期間で手に入る
  • 求人紹介や、転職サポートをしてもらえる
  • 企業からの内定率が大幅に上がる
WEBマーケティングスクールのデメリット
  • 受講料がかかる
  • 卒業までに2〜3ヶ月程度かかる
  • 学習時間を捻出する必要がある

おすすめのWEBマーケティングスクールを紹介した記事のリンクを以下に貼っておきますので参考にしてください。

参考:WEB広告で有名な広告代理店8選

WEBマーケティングの広告代理店ってどんな企業があるのか、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。

ここでは大手企業や知名度の高い企業をご紹介しておきます。

よければ個別の公式サイトなどを見てみてください。

2022年更新、3月に更新した内容です。

サイバーエージェント

サイバーエージェント
会社名株式会社サイバーエージェント
代表者代表取締役 藤田 晋
設立1998年3月18日

言わずと知れた、インターネット広告の大手広告代理店です。

ABEMA TVやソーシャルゲーム、マッチングアプリなど、

事業内容は多岐に渡り、もはやインターネット広告はその一部でしかありません。

デジタルホールディングス(旧オプト)

デジタルホールディングス
会社名株式会社デジタルホールディングス
代表者代表取締役会長 鉢嶺 登
設立1994年3月(旧・有限会社デカレッグス)

インターネット広告では、サイバーエージェントに続く大企業です。

オプトホールディングスが、2020年に商号を変えて、デジタルホールディングスに生まれ変わりました。

インターネット広告という観点で言うと、傘下にいるオプト社の方がよく目にするかもしれません。

セプテーニ(電通グループ)

セプテーニ
会社名株式会社セプテーニ
代表者代表取締役社長 清水 雄介
設立2006年10月

セプテーニホールディングスは、2022年1から電通グループの連結子会社化が決まっています。

なんと、10年連続で働きがいのある会社ランキングTOP10入りを果たしています。(2012〜2021年)

電通デジタル(電通グループ)

電通デジタル
会社名株式会社電通デジタル
代表者代表取締役社長 川上 宗一
設立2016年7月

こちらも電通グループの連結子会社です。もはや電通本体よりも勢いがある企業と言えるかもしれません。

電通の大型案件のデジタル広告を一手に担っているので、そのネット広告の規模たるや日本一と言っても過言ではありません。

メンバーズ

メンバーズ
会社名株式会社メンバーズ
代表者代表取締役 兼 社長執行役員 剣持 忠
設立1995年6月26日

大手企業を中心として、のネットビジネスをさまざまな観点からサポートする広告代理店です。

DXやデジタル全般の支援をしていることからも、ネット広告というよりもクリエイティブや制作が強みといった印象を受けます。

ネットイヤー

ネットイヤー
会社名ネットイヤーグループ株式会社
代表者代表取締役社長 CEO 佐々木裕彦
設立1999年7月7日

ネットイヤーはデジタルマーケティング全般をサポートする会社です。

UI・UXに強みを持っている印象を強く受けます。その規模も大きく大企業案件をたくさん請け負っています。

デジタルガレージ

デジタルガレージ
会社名株式会社デジタルガレージ
代表者代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO 林郁
設立1995年8月17日

デジタルマーケティング全般を扱う広告代理店。

注目は「ブロックチェーン」「AI」「セキュリティ」「xR」「バイオヘルス」などを中心に

デジタルガレージ、カカクコム、KDDIの3社で新たな事業を生み出す「DG Lab」を運営している点です。

アドウェイズ

アドウェイズ
会社名株式会社アドウェイズ
代表者代表取締役社長 山田 翔
設立2001年2月28日

マーケティングに関わる自社サービスを多数開発、運営している点が特色です。

中でも、全自動マーケティングプラットフォームUNICORNは、数年で事業規模を拡大させています。

まとめ

広告代理店に転職するメリットとデメリットをお伝えしました。

もしも転職をする場合は、今後自分がどんなことをしたいのか。

その目的ベースで考えてみることで最終的にはとても納得のいく決断ができると思います。

少なからず、「独立したい・フリーランスになりたい」という方や、事業会社でマーケティングをやるつもりだけど、「広告代理店でスキルセットを身につけたい」という方には、とてもおすすめの環境です。

ぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

節約に励むマーケターです!30歳を機に別職種から、マーケターにキャリアチェンジ。IT企業で専任のマーケターをしています。0からプログラミングを学びはじめました! ★データサイエンティストの勉強中です!お問合せはこちら!

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